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2015.08.31更新

現在の日本民法は、明治時代である1896年に制定されたが、約120年のときを経て、債権法分野(契約分野)の改正が行われる。

誰しもが日々の買い物等の契約に関与しながら、その契約に関するルールが明治時代から何ら改正されていないということに驚きを覚える読者も多いのではなかろうか。

今回の改正の大きなねらいは「消費者保護」にあると言われている。何らかの契約をするときに「約款」というものを見たことがある人も多いと思われるが、細かい字で書かれていて、枚数もかなりあるため、この約款を細かく確認せずに契約してしまう人が多いのが現状である。約款は、そもそも企業が多くの消費者との契約をスムーズに処理するために方的に作成したものであるため、この約款をめぐるトラブルは近年上昇傾向にある。このように、現代社会において広く用いられている約款であるが、私法の一般原則である民法上には規定がなく、消費者保護の観点から問題があるとされていた。

そのため、今回の民法改正によって、約款規定が盛り込まれることになったというわけである。株式のような馴染みのない商品だけでなく、音楽等の広く一般消費者が扱うものまでもがインターネットで取引されている現代において、より一層消費者を保護するためにも、約款規定を設けようというわけである。消費者の権利や利益を一方的に奪う内容は無効とする規定が設けられる。なお、当然のことではあるが、消費者自身も契約をする当事者として、約款の内容を理解することが重要である。

投稿者: ハナ国際法律事務所

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